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NOTE
2020.08.02
インターネットサイトを見ていたところ、面白い記事を見かけました。
「保険会社に紹介された弁護士には依頼すべきでない」という意味のタイトルの記事を弁護士が書いていました。
理由は、保険会社に紹介された弁護士は保険会社の肩を持つから、だそうです。
ほんの数か月前まで、保険会社側で5年間近く「保険会社に紹介された弁護士」をしていた私としてはこの記事をみて違和感を覚えました。
交通事故事件でよく当たる弁護士さんの中で、この人は凄い、すごく知識と経験がある、この分野に熱意がある、と感じる方々はみなさんそれぞれ保険会社からの紹介を含めてお仕事をされていると思われる立派な弁護士さん達だったからです。
どの専門分野でもそうかと思いますが、ある程度の案件経験数とその分野での幅広い事案の処理方法を知っている弁護士が、一般的には力のある弁護士になりやすいと思います。
そういった意味で、常に交通事故事件を多数取り扱っている「保険会社が紹介する弁護士」さん達のなかの方が、割合的には力のある方々が多いように思います。
ただし、保険会社からの紹介には大きく2種類があることに注意が必要です。
1つは、保険会社あるいは担当者が直接関係先の弁護士を選んで紹介する場合。この場合は、保険会社または担当者がどのような基準でその弁護士を紹介したかを聞いてみれば、その方の実績がわかる場合がありますし、納得いかなければ別の方を紹介するよう依頼すればよいと思います。
もう1つが、保険会社から弁護士会などの組織を経由して名簿からランダムに紹介依頼がある場合です。
名簿からの選任の場合には、常時交通事故事件を扱っている方もいれば、そうでない方も含まれてくる場合があり、事案の処理のスムーズさにはばらつきがでるかもしれません。事案慣れしているだけが弁護士の実力ではないですし、普段扱わない事件でも真摯に対応する先生もたくさんいらっしゃいます。
交通事故の事案に関して弁護士を選んで頂くときに、私が大切だと思うことは、示談額がこんなに増加する、という一般論のメリットだけでなく、現状よりも後退する減額のリスクや、証拠収集の困難、解決までの期間の見通しと言ったデメリットをあらかじめきちんと説明して、選択肢・見通しを提示し、選択する権利は依頼者にあると説明できる弁護士を選ぶことだと思います。
インターネットサイトでは、一部の極端な実績のみアピールして集客を試みようとしていらっしゃる方々もおられるようですが、ほんとうに真摯な先生は、他の弁護士の意見を聞いてみて納得がいく場合のみご依頼ください、という説明をされているはずです。
(まとめ)
誰の紹介か、一部の実績アピールのみで判断するのでなく、実際にお話をして、メリット、デメリットまできちんと説明してくれるご自身と相性のよい弁護士を選ばれることをお勧めします。とくに難しい案件で、最後に信頼できないと思った方を選ぶと後悔が残るかもしれません。
群馬県高崎市飯塚町1124 増田法律事務所
弁護士 増田泰宏