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NOTE
2020.07.19
交通事故の物的損害は、車両修理費用に限られません。
事故時の衝撃によって事故車両に積載していたものが破損したり、着衣に損害が発生する場合があります。
交差点での事故で運転席付近に衝突をうけ、車両の窓ガラス片が車内に飛び散ってしまった事故についてご紹介します。
ご相談時には,いまだ通院中でしたが、着衣、チャイルドシート等の損害を認めるかについて、に既に保険会社間で争いがありました。
相手方保険会社からは、損傷が明らかでないので、チャイルドシートや着衣等の損害がみとめられないとの見解が示されていました。
相談者によると,運転席付近に衝突を受けて窓ガラスが車内の広範囲に飛び散った際に、着衣やチャイルドシートにガラス片が飛び散って完全に除去ができず事故以降、使用していないとのことでした。
着衣等が物理的に破損したことが目視で確認できたわけではなく、ガラス片の子供服やチャイルドシートの繊維への侵入があり、危険でしようできないということでした。
また強い衝撃を受けたベビーカーを使用してよいのかという安全上の問題がありました。
これらの物品について購入時のレシートは残っておらず,その商品もすでに販売されていませんでした。
ご依頼を受けたあと、着衣については相談者から購入時期、購入金額等の聞き取りをし、資料の作成と事故後の写真をいただき、類似商品を調べる等交渉のための資料を作成しました。
また、ガラス片の付着した衣類をクリーニング店に持ち込むことの法的問題点の意見書を作成しました。
チャイルドシートについては、メーカー説明書から、事故で衝撃を受けた場合には安全性能の保証ができなくなくなるため、使用を中止すべきとされていることを確認しました。
これらの資料を提示した交渉により、購入価格から使用年月数に減価割合を乗じた金額での賠償が実現されました。
減価償却の税務上の耐用年数は法定のものがありますが、これは税務上のルールで必ずしも賠償にあてはるわけではないと思います。
(ポイント)
相手方保険会社から賠償金額の提示があったときに、弁護士に相談することによりその提示と異なる賠償を受けとることができる場合があります。
急いで示談をする前に、まずは弁護士への相談をお勧めします。
群馬県高崎市飯塚町1124番地
増田法律事務所
弁護士 増田泰宏