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2020.07.14
(事故概要)
物損事故/10:0の追突事故/相手方無保険車
交通事故の事件をやっていると、無保険の自動車にぶつけられましたという相談がたまにあります。
自動車を運転する立場からすると、保険にはいっていない人などいないだろう、と思いがちですが、予想以上にこの手の話は登場します。
なかには、車検すら通っていない自動車に乗っていた、とか自賠責にも入っていないという事例もあります。
自動車事故の処理における相手方保険会社の役割というのは、単に賠償をするというのみでなく事故処理の窓口としても本当に重要な役割があります。
相手方が保険が入っていないと、本人と連絡をつけるところから大変な苦労をすることになります。
(相談内容)
完全な100対0の被害事故で相手方も判明しているものの一向に賠償の話が進展しない、なんとかしてほしい、と知人経由でご相談いただき対応しました。
通常、一方的被害事故であれば、相手方保険会社が損害算定をして事故後1、2か月程度で物的損害の処理が終了します。
しかし、保険に入っていないひとが相手ではそうはいきません。
電話にでない
話し方が怖い
なぜ自分が支払いをしなければいけないのか、と逆上する
お金がないから払えない
などいろんなパターンで支払いを拒否されますので、自身で対応するのは大変です。
ご依頼いただいた案件では、未成年者の方がお相手でしたので、早々に訴訟提起に向けて親権者を確認し、事故関係の証拠資料を収集しつつ、親権者宛に文書を送付しましたが完全に無視されるところから処理が始まりました。
(方針と経過)
無保険事故の場合には、訴訟提起・判決を取得したとしてもなかなか賠償の実現まで結びつかない、あるいは全額の回収に何年もかかったという苦い経験があります。
ですので、訴訟準備と並行して、可能な限り当事者との話し合いで解決をしたい、と考えました。
この案件では、親権者の方と連絡をとりつけ、賠償交渉を訴訟に必要な資料が集まる直前まで粘り強く交渉したいと思って対応していました。
しかし、無保険車の運転手さんだけあって、話し合いは難航しました。
今後の訴訟の推移やその後の予測なども踏まえて話し合いを続けましたが、議論がうまくかみ合いませんでした。
どうして話し合いにならないのかと悩んでいましたが、数回目にお話ししたときに、俺じゃなくて息子が払うということなら、息子に言っとくよ、といって電話を終え、翌々日に賠償金が支払われていました。
なぜ、そこで解決するのか、いままでの話はなんだったのか、なかなか相互理解が難しいと感慨ぶかい思いがしました。
(ポイント)
無保険事故に遭われた場合、相手方本人とのタフな話し合いを行う必要がままあり、ご本人さんでの対応は難しいだろうと思います。
自分がまったく悪くない、理屈でもめているわけじゃない、というときにも弁護士への依頼が必要になる場面があります、という事案のご紹介でした。
群馬県高崎市飯塚町1124 増田法律事務所
弁護士 増田泰宏