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2020.08.09
1 弁護士費用特約の加入率
弁護士白書によると、2005年から2018年にかけて、リーガルアクセスセンター協定会社(日弁連と弁護士紹介の協定をした保険会社)の販売した弁護士費用特約の件数は約30倍に増加しているとのことです。
事故にあった後にオプションで付帯していたと気付いたとか、自分の車にはついていないものの家族の保険が利用できた、とおっしゃる相談者さんは多くいらっしゃいますので、付帯していても認知度はあまり高くないようです。
他方、裁判所に対する交通事故事件の訴訟提起件数は同期間で3倍程度の増加に留まっており、任意交渉での解決事案が多いことや、交通事故事件自体の減少を加味してもその利用率・認知率はまだまだ低いのだろうと思われます。
2 弁護士費用特約利用のメリット
①利用によるデメリットがない
自動車保険のオプションとして付保する特約ですから、多少の保険料の増加(年間数千円程度)はありますが、事故時の使用によって等級(保険料)があがるという仕組みには基本的になっていないため、利用することによるデメリットが考えにくいかと思います。
②最終的な受領額が増額する可能性が増す
人身の被害事故の場合には、通院慰謝料の基準自体が保険会社との交渉と裁判所での相場(弁護士基準とか赤い本の基準)とで大きく異なります。弁護士が介入することによって最終的な受領額が上がる可能性が大きくなります(必ず増額するわけではないですし、場合によっては減少のリスクもあります)。
また、、慰謝料以外の項目においても、弁護士の目で精査することによって損害項目の見落としを指摘できたり、計算方法の見直しによって金額の増額交渉が可能となります。
③煩雑な処理をプロに任せることができます
交通事故を多数扱う弁護士を探すことができれば、事故直後から、修理費用やレンタカー期間の調整といった煩雑な処理から解放されます。
少し気の利いた弁護士であれば、相手方保険会社だけでなく、依頼者ご自身の加入する保険会社とも連絡をとって、利用できる保険の有無を確認し、保険給付が最大限に受けられる段取りを組んでくれるかもしれません。
④増加額が小さいときや、過失の問題も費用を気にせず依頼できる
駐車場内で発生するような大規模でない事故で、交渉によって得られる増加額がおおきくない場合でも、弁護士費用の特約に入っていれば、ご自身の持ち出しがなくなりますので、利益の大きさを気にせずに弁護士に任せることができます。
※小さな事件、物的損害のみの事件は手間がかかるため受任を行わない法律事務所がありますので、事前に確認されることこをおすすめします。
(ポイント)
弁護士費用特約に入っている、という認識がない場合でもまずはご自身と家族の保険会社に利用できないかを確認することをお勧めします。
特約がついている場合には、デメリットはないので、法律相談だけでも行ってみることをお勧めします。
群馬県高崎市飯塚町1124番地 増田法律事務所 弁護士増田泰宏