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2020.08.20
交通事故での通院について病院から健康保険での診療を拒否された、という相談がたまにあります。
相談が寄せられるのは、加害者側保険会社からの一括対応が終了するタイミング、医師側から見ると自由診療の終了の時期です。
交通事故の治療は当初、「自由診療」という診療報酬で行う病院が多く、健康保険と同様の治療に対しても1.2倍から2倍程度の診療費が請求されているのが実情です。
要は、自由診療時の診療報酬は、健康保険利用時に比べて医師(病院)に入る報酬が通常よりも多い状態です。
加害者側保険会社の一括対応(治療費の直接払い)が終了すると、事故被害者は健康保険利用で通院をせざるを得ません。
このとき、健康保険で算定した招集は、医師に入る報酬は自由診療と比べると見劣りします。
病院としては、自己負担での自由診療を継続させようとしたり、健康保険は交通事故では使えないという説明をすることがあります。
これは間違いです。
病院がこのような対応をするたびに市役所・保健所にも確認していますが、医師の応召義務の上でも、健康保険利用の上でも問題があるという回答です。
しかし、患者としては医師との関係の悪化を恐れて言いなりになるほかないという苦しい立場に追い込まれてしまいます。
自由診療で利益を得つつ、健康保険利用に切り替えを希望した途端に診療を拒否する病院が現に存在しています。
そういった病院が存在する、ということは通院先の病院を選択する際に注意すべきかと思います。
(ポイント)
事故直後の自由診療は、病院にとっても利益になるため受け入れられるが、健康保険利用を申し出た途端に診療を拒否する病院が存在する。
交通事故の治療における健康保険利用は、問題なく可能であり、診療拒否は法的に問題がある。
治療開始時から、自由診療終了後に健康保険利用に切り替えて治療ができるかを医師に確認しておくことがのちのトラブル防止に有用です。
群馬県高崎市飯塚町1124 増田法律事務所
弁護士 増田泰宏